失語症のリハビリテーションとコミュニケーション方法|(株)SMART自費訪問|通所リハビリ|中央区・東京都内
こんにちは!SMARTの言語聴覚士、阿部です。
いよいよ夏本番も迫っておりますが、皆さまお身体の調子はいかがでしょうか。
今回は、前回に続き失語症についてです。より詳しく見ていきたいと思います。
◆失語症のタイプ
失語症にはいくつかのタイプがあります。
➀運動性失語
言葉を理解することは出来ますが、自分から話すときは言葉が出づらくなり、ぎこちない話し方になることが多いです。
前頭葉の「ブローカ野」という部分が損傷することで起こります。
症状の主な特徴
・会話量が少ない、あるいはほとんど話さない。
・聞いて理解は出来るが、自分からの言葉はたどたどしい。
・話す言葉に歪みがある。
➁感覚性失語
自分から話すことは出来ますが、言い間違えが多くなります。また相手の話を聞いて理解することが難しく、会話が成立しないこともあります。
側頭葉の「ウェルニッケ野」という部分が損傷することで起こります。
症状の主な特徴
・話し方は滑らかで量も多い。
・言葉の言い間違いが多い。
・話が支離滅裂になり会話になりづらい。
③全失語
話す・聞く・読む・書く、全ての言語機能が重度に損なわれ、意思疎通が難しくなります。
脳の広範な部分を損傷することが原因で起こります。
症状の主な特徴
・意味のある言葉はほとんど出ないことが多い。
・同じ語だけを繰り返すことがある。
・コミュニケーションをとること自体が難しくなる。

◆失語症の訓練法を選ぶ流れ
症状・程度により訓練法は異なります。言語聴覚士が失語症の程度、ポイントとなる症状等を考慮して決めていきます。
・失語症の程度がかなり重い
→まずは身振りや絵などを用いた言語以外で行えるコミュニケーション方法を探します。
・ある単語が別の単語に置き換わる
→聞いた単語や、文字で書かれた単語がどれか絵カードの中から選ぶ訓練を行います。
・言おうとする単語は合っているが音が入れ替わる
→まず言葉の理解から始め、音声を使って表出の幅を広げていきます。
・発音は出来るが、音を探すようなたどたどしさがある。
→1文字の単語の発音練習から始め、次第に長い単語の練習を行います。
・明らかなマヒはないが発音動作に問題がある。
→言語聴覚士の口の動きや、鏡で自分の口の動きを確認しながら発声練習を行います。
◆失語症の方とのコミュニケーションポイント
・落ち着いた雰囲気でゆっくり話す。
失語症の方は即座に答えることが難しく、考えている内に話が続いてしまうと、内容が分からなくなってしまいます。話しかけるときはゆっくり、長々ではなく短い文で分かりやすく話すようにします。
・「はい」「いいえ」でこたえられる質問を。
失語症では言いたい言葉がなかなか出てこないことがあります。そのような時は、聞き手側は言いたい内容を推察し、「はい」「いいえ」で答えられるように質問をします。
・絵や身振り、表情をまじえて伝える。
話したい内容が絞りきれない場合は、絵や図に描く、ジェスチャーなど、手掛かりとなるものが出せないかを試してみましょう。少しの情報でも聞き手側にとってヒントとなります。
・先回りやさえぎったりはせずに、ゆっくり待つ。
なかなか言葉が出てこないときは、せかさずにゆっくり待ちます。また、間違った言葉を言ってしまうこともありますが、すかさず誤りを指摘するのでなく、さりげなく「〜ですか?」と正しい語を言って確認しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!
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