みなさん、こんにちは。

園芸療法士の張です。

最近、私が気に入っている写真の一つが、昔から絵を描くことが好きなお客様と、育てているお花をデッサンしたときの写真です。紙や鉛筆などの道具を目の前に用意すると、黙々と集中して絵を描かれていました。

株式会社SMARTで訪問園芸療法を始めて、もうすぐ4年になります。今日は、改めてSMARTで行っている園芸療法について、ご紹介したいと思います。

そもそも、園芸療法とは?

園芸療法とは、「医療や福祉分野をはじめ、多様な領域で支援を必要とする人たち(療法的な関わりを要する人々)の幸福を、園芸を通して支援する活動」と、日本園芸療法学会で定義されています。

もう少しわかりやすく説明すると、1人で園芸を行うのは難しくても、園芸を取り入れることで、より健康的な生活を送ることができると考えられる方を対象に、目標を定め、緑のある環境や、花や緑との関わりを通して、健康の回復や生活の質の向上を図る活動です。

園芸療法の歴史

園芸を治療や支援の一つとして活用する考えは古くからあります。

1900年代には、作業療法の中で園芸や農作業が手段の一つとして用いられていました。

1950年代には、第二次世界大戦後、退役軍人の治療やリハビリテーションに園芸が活用され、その効果が注目されるようになりました。

その後、1990年代頃からアメリカの園芸療法が日本で紹介され、国内でも少しずつ実践が広がっていきました。現在では、病院や福祉施設など、さまざま々な場所で園芸療法が取り入れられています。

園芸療法にはどのような効果があるの?

園芸には、緑のある環境で過ごす、植物を育てる、収穫する、利用するといった、さまざまな活動があります。そのため、一人ひとりの興味や状態に合わせて活動を考えることができます。

緑のある環境で過ごす

植物や緑のある環境で過ごすことは、心を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があるとされています(バイオフィリア仮説)。

五感を刺激する

花を眺める「視覚」、香りを嗅ぐ「嗅覚」、葉がこすれる音を聴く「聴覚」、葉や土に触れる「触覚」、そして育てた野菜を味わう「味覚」。植物との関わりを通して五感を刺激することで、脳へのさまざまな働きかけにつながります。

自然と体を動かす

園芸作業では、土を触る、種を蒔く、水をあげる、手入れをする、収穫をするといった動作を行います。運動が苦手な方や億劫に感じる方でも、植物を育てるときには、自然と手足を動かします。植物を育てるという目的があることで、体を動かすきっかけにもなります。

心理・精神面の安定

私は、園芸療法の中でも、心理・精神面への働きかけはとても大きいと感じています。

植物を育てる過程の中で、「自分の手で育てている」という感覚は、自尊心や充実感につながります。種をまいた植物が芽を出し、花を咲かせ、収穫する。その過程を見守りながら、「いつ花が咲くかな?」「来週には食べられるかな?」と成長を楽しみにすることも、園芸ならではの魅力です。

植物の成長を待つ時間には、未来への期待が生まれます。そして、育てた植物が花を咲かせたり、実をつけたりした時には、達成感や喜びを感じることができます。

人との交流が生まれる

また、植物は人と人をつなぐきっかけにもなります。

「大きくなったね」「綺麗に咲いたね」と、お客様が育てた植物をきっかけに、他の参加者やご入居者、施設スタッフ、ご家族との間に自然な形で会話が生まれることがあります。

園芸を通して、人とのつながりや交流の機会を持つことも期待できます。

SMARTの園芸療法について

SMARTでは、一人ひとりの状態やご希望に合わせた園芸療法を提供しています。

個別で関わる園芸療法から、少人数で楽しむ園芸活動まで、ご希望に合わせてさまざまな形でお客様の心身の健康をサポートします。

個別園芸療法

園芸療法士がお客様とマンツーマンで関わる活動です。

お客様の状態や目的、ご本人の希望などを確認しながら、一人ひとりに合わせたプログラムを提供しています。

植物を育てることだけが目的ではありません。

「外に出る機会を作りたい」「手を動かす機会を増やしたい」「生活の中に楽しみを作りたい」など、それぞれの目的に合わせて活動を行います。

小集団での園芸療法

2〜3名の少人数で行う園芸療法です。

植物を育てる楽しみだけでなく、他の参加者と一緒に活動することで、人との交流や会話が生まれることもあります。それぞれが植物と関わりながら、仲間と一緒に園芸を楽しむ時間を作っています。

園芸レクリエーション

施設からのご要望に合わせて、園芸レクリエーションも提供しています。

庭はあるものの十分に活用できていない施設や、「園芸を取り入れたいけど、どのような活動をしたら良いかわからない」という施設もあると思います。そのような施設に対して、植物の特性や季節を活かしながら、園芸療法士が活動内容を考え、園芸の時間を提供します。

園芸療法の庭づくり

ご要望に応じて、施設の庭やテラスなどの植栽も行っています。

どんな植物を植えると楽しみにつながるのか。車椅子の方でも近くで植物を見ることができるのか。季節ごとにどのような変化を楽しめるのか。

SMARTでは、単に庭を綺麗にするだけではなく、「その庭をどのように活用できるのか」という園芸療法士の視点から、植物を選び、植栽を行っています。

植物の力を借りながら

最近、お客様のご家族から、「園芸療法の時間は、微笑ましく貴重な時間だと感じています」という、嬉しいお言葉をいただきました。植物と関わる中で生まれる笑顔や会話、植物の成長を楽しみにする気持ちなどを、これからも大切にしていきたいと思っています。

これからも植物の力を借りながら、一人ひとりに寄り添い、その人らしい生活や心身の健康を支えられるよう、園芸療法に取り組んでいきたいと思います。

最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。

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